「原宿」は約400年前の文献に登場するという古い地名ですが、現在では駅名はあっても行政町名としては残っていません。昭和45年に完了した住居表示制度施行の中では、たくさんの旧町名が消えていきました。今では町会名や商店会・施設・公園名などに名残をとどめています。現町名となった住居表示の実施後40年余りの時を経て、旧町名の記憶も薄らいできてしまいましたが、今の住居表示になる前はどんな町名だったのかを明らかにしてくれるのは・・・

『渋谷區 旧町名マップ』

この1冊(枚):『渋谷區 旧町名マップ』(渋谷区 2007年)

旧町名は旧渋谷町では昭和3年(1928年)の町名地番改正時、旧千駄ヶ谷町・代々幡町では昭和7年(1932年)に東京市に編入されて渋谷区となったときに生まれました。多くは旧字名を引き継いでいますが、街路割名の多くは新たに名付けられたものです。「恵比寿」が「恵比寿通」として初めて行政地名になるのも昭和3年の改正時です。地図の裏面には旧町名を冠する場所の紹介や町名変遷の一覧を掲載しています。

渋谷區 旧町名マップ 書影

渋谷区の地名を知る資料紹介

渋谷区の地名由来や変遷を調べるなら『渋谷の地名-資料集』、『渋谷区史』、『新修渋谷区史』などから。小字名を掲載している地図では『豊多摩郡渋谷町全図』『代々幡村全図』『豊多摩郡内藤新宿町千駄ヶ谷町全図』があります。