郡の範囲・名称というのは歴史的に変動があるのですが、いつの時代かが示されていませんので歴史的にたどってみます。
「原宿」は行政地名としては現在残っていませんが、かつては原宿村であり、千駄ヶ谷村に合併されてからは大字名として、渋谷区発足当時の町名では原宿1丁目から3丁目がありました。
原宿の属した郡は、昭和7年(1932年)に東京市に編入されて、渋谷区が成立する以前の渋谷区域である渋谷町・千駄ヶ谷町・代々幡町の3町が属した東京府「豊多摩郡」でした。
3町がそれぞれ村であった頃は、明治29年に東多摩郡と南豊島郡の合併によって豊多摩郡が成立するまで、「南豊島郡」に属していました。
南豊島郡は明治11年に郡区町村編制法によって成立する以前は「豊島郡」でした。
古代における渋谷区域は豊島郡に属するか荏原郡に属するかで、議論が分かれているようです。
確認資料としては以下のものがあります。また、3町時代の地図にも「東京府豊多摩郡」の表示があります。

参考資料

『図説渋谷区史』(渋谷区 2003年)

「三村の成立」(108ページ)項に、郡の変遷の解説があります。

所蔵館: 全館(S12)

『新修渋谷区史 上巻』(渋谷区 1966年)

古代の所属郡についての解説が、上巻の170ページにあります。

所蔵館: 全館(S12)

『新編武蔵風土記稿 第1巻』(雄山閣 1970年)

江戸時代の記述ですが、豊島郡の項に「原宿村」が出ています。

所蔵館: 中央(S13)・保存庫(S13・291.0ダ)

(2013年2月15日回答作成)